SAPとはドイツに本社を置くERPシステム開発を行う企業です。SAPの世界シェアはERPシステムの中でもトップで、世界的に利用されています。
SAPはERPシステムの代表格として多くの企業で導入されております。ERP(Enterprise Resource Planning)とは直訳すると経営資源計画になり、組織内にある経営資源に関するデータ(ヒト、モノ、カネ)を一元的かつリアルタイムで管理することを目的としています。例えば、ERPを導入していなければ、経理は経理のシステム、営業は営業のシステム、購買は購買のシステムといったようにそれぞれでシステムを利用するのが通常だと思いますが、ERPシステムはそれらを含む企業に必要な業務をまるごと一つのシステム内におさめるといったイメージです。
・1972年 ドイツでSAP社設立
・1992年 ERPパッケージの「SAP R/3」をリリース
・2004年 SAP R/3から「SAP ERP Central Component(ECC)」に名称を変更
・2015年 ECCの後継として、SAP S/4HANAをリリース
ECCの公式サポートが2027年末で終了するため、現在はECCからS/4HANAへの移行を行う企業が増加しております。
SAPでは特定の業務領域のまとまりをモジュールと呼んでおります。代表的なモジュールを下記で紹介します。
・財務会計(FI)
債権債務の管理、会計伝票の入力、財務諸表の作成など
・購買在庫管理(MM)
材料の発注や入庫、在庫の移動や棚卸など
・生産管理(PP)
製品の生産計画や製造など
・販売管理(SD)
見積、受注、出荷、請求など
SAPの業務についてどのような役割の人がいるのかを下記で紹介します。
・コンサルタント
主な仕事はSAPの導入や業務内容に応じたカスタマイズです。ユーザの要件をヒアリングし、課題解決を行う役割があります。ユーザ部門の業務知識とSAPについての高度な知識が必要になります。
・SE、プログラマー
SAPの標準機能とユーザ要件のギャップをカスタマイズでも解決できない場合に、アドオンを行います。ABAPというプログラミング言語を用いてユーザ要件を満たすプログラムを開発します。
※標準機能では実現できないユーザ要件を個別開発で機能追加することをアドオンといいます。開発・維持・管理コストの問題やバージョンアップ時の移行が難しくなる場合もあり、アドオンは必要最小限に抑えることが望ましいです。
・BASIS
開発環境の構築や、ユーザアカウントの管理、権限管理、移送などSAPを運用していくための仕事を行います。